シグルイ14

2018/01/07

南條範夫&山口貴之、秋田書店。駿河残酷絵巻の十四巻目。長い助走の時間を経て、ついに時間軸は一巻に戻る、直前のタイミング辺りで今回は終了。どう考えても一巻の「化け物めっ!」と伊良子に叫んだ眼とは程遠い、澱んだ目をしていた藤木殿が綺麗になる巻でした。藤木の豹変にも驚くけど、伊良子のツンヤンぶりはやっぱ異常。どんだけ藤木好きなんだよ。ブレが無くて何よりです。
その伊良子にヤンな愛情を燃やす三重も、今回クローズアップ。作画も、ちょっと可愛くなった。どう考えても死ぬオーラしかなくて、崩すためには積み上げなければ、という虎眼流の教えを忠実に守っております。まぁ破滅しかない話なので、そういう予感は大切です。っていうか、何の前触れもなく今回も破滅は発露したわけですが。主に忠長によって。
駿河大納言忠長、今回も貫禄のキジルシっぷりを存分に発揮。絵面のシュールさはこの漫画のパワーであり、狒々食い西瓜食いのシーンとか面白くてしょうがないのですが、無言で侍女を投げ落とすシーンとか、無言で刀をわざわざ集めた御前試合参加者の背中にブッ刺すシーンとか、やっぱ大納言はパない。狂気の発露に理由がないのが、非常にソリッドな存在感を与えています。棄て童子としての鬱屈も描写されており、残酷ピラミッドの頂点として、素晴らしい安定感がありますネ。御前試合に向けて期待が増す、シグルイ十四巻でした。